Dry Tee(Two Dogs)
¥5,000
□ Body:BLANK (BRING製)
□ 素材:ポリエステル100%・厚さ6.5oz
□ 機能:コットンライクな肌触り・吸水速乾・UVカット・蓄光仕様(星部分)
□ サイズ:XS・S・M・L ・XL (男女兼用)
□ その他:
身長174cm男性 → Lサイズ着用(ジャストサイズ)
身長150cm女性 → XSサイズ着用(若干ゆとり有り)
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シエラの峠を幾つも越え、ようやく辿り着いたテン場。
陽はだいぶ前に暮れ、頭上には既に星が広がっていた。
背後には月明かりに浮かんだヨセミテのハーフドーム。
テントを張り、コーヒーを淹れ、一息つく。
レンジャーで先輩のJOHNNYが口を開いた。
「キミのご主人は元気かい?」
「JOHNNYさんがいた頃から変わらず元気ですよ」
「でも "夢に出てこない" って時々寂しがってます」
後輩のJOJOが答える。
「そうかぁ、相変わらず仕方のないご主人だなぁ」
「寂しい想いをしないようにキミを紹介したのに」
JOHNNYは苦笑いしながら星を見上げた。
「目を閉じればいつでも一緒なんだけどな」
「どうしてずっと歩き続けているんです?」
JOJOは気になっていた疑問を投げかけた。
「ココはね、僕らのご主人が大好きだった場所なんだ」
「毎年わざわざ歩きに行くくらいにね。彼らの目に映った景色を自分も見てみたくてね、念願叶ってこうやって歩いてるんだよ」
JOHNNYはコーヒーを飲み干し、
JOJOの方を振り向いて言った。
「これからもご主人をよろしく頼んだよ」
「僕らは犬だけどご主人にとって犬は家族なんだ」
「昔も今もこれからもずっと大切な家族なんだよ」
「さて、今日は一日中歩いたし、そろそろ休もうか」
「そして君は夜が明ける前にご主人の元に戻るんだ」
「JOHNNYさん、名残惜しいけどお元気で」
「お互いに良い旅を、Happy Trails」
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2014〜19年の6年間、毎年夏にJohn Muir Trailを歩いた。我々夫婦にとってそこは特別な場所だった。トレイルヘッドにある道標より先は、例えるなら映画「千と千尋の神隠し」でいうトンネルみたいに別世界に続いている様に思えた。
素晴らしい景色もあるけど、命が亡くなる厳しい場所でもある。喜怒哀楽も弱さも全て剥き出しになる。単純に楽しいってだけではなく、自分の中の何かを乗り越えないと楽しめない。それでも乗り越えた人々は底抜けに明るく山の生活を謳歌している。言葉にすると大層チープだけど、本心でそういう場所なのかなと思っている。6年も歩き続けた理由は、その感覚を思い出しては毎回確かめたくなるから。
このストーリーは妄想だ。他人からすれば痛々しい妄想かもしれない。でも単なる妄想と切り捨てたらそれはそれでつまらない。もし彼らがそんな会話をしていたらと想像するだけで飼い主は満たされる。それで充分。目に見えるものだけが全てではないハズ。
そんな妄想を快くカタチにして頂いたオカタオカさん、
改めてありがとうございました。